わたしの頭痛、何型?
~ 頭痛の分類 ~
◆ 一次性頭痛
片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛があります。
この中にはCT,MRIで検査をしても異常なしと言われた人たちが入ります。
それでいて何時も頭痛がでるのです。
◆ 二次性頭痛
二次性頭痛は脳内に何らかの病変があり頭痛が出るものを言います。
例えばくも膜下出血、脳出血、脳腫瘍などです。
ここでは主に一次性頭痛について、解説していきます。
あなたの頭痛はどれにあてはまるでしょう? それぞれクリックしてみてください。
片頭痛の特徴
片頭痛には下記のような特徴があります。「寝込む頭痛は片頭痛、吐く頭痛は片頭痛」と思ってください。
拍動性頭痛(ズキズキする頭痛です)
頭痛は数日、数週間をおいて急に起こります。
頭痛は長くても2-3日しか続きません
頭痛には嘔気、嘔吐を伴います
頭痛発作時に強い光、大きな音、不愉快な臭いで頭痛が悪化
頭痛の出現する数十分前に首筋の張り、生あくび、予知感などの前駆症状がある。
雑踏、寝すぎ、炎天下、飲酒、運動で頭痛が誘発、悪化する。
夜中、朝方頭痛で目が覚める事がある。
頭痛時、痛い部分を強く圧迫すると痛みが軽快する。
頭痛は遅くても30歳くらいまでに現われる。
血縁者に同様の頭痛もちがいる。
女性に多い
妊娠中には頭痛がないか、現れたとしても軽度
血圧は低いほう
頭痛学会の発表から、頭痛で病院受診をする患者さんの7割は片頭痛患者といわれています。
片頭痛の診断基準
「前兆のない片頭痛」の定義は、国際頭痛学会によって決められています。
いままで下記 2~5を満たす頭痛が5回以上の発作があった
頭痛発作が4-72時間持続する
次のうち、少なくとも2項目を満たす
片側の頭痛
ズッキンズッキンする頭痛
かなり強い頭痛(日常生活が妨げられる)
階段の昇降など日常的な動作により頭痛が増悪する
発作中、次のうち1項目を満たす
吐き気か嘔吐
光過敏と音過敏
症候性頭痛(「悪玉頭痛」)を否定できる
片頭痛の原因は良くわかっていない
血管説
何らかの誘因によって血中の血小板からセロトニンという物質が過剰に放出されます。そのため血管の収縮が起こります。
脳血流の低下のため「閃輝暗点」といった頭痛の前兆が起こります。
その後、同じく血液中にあるMAOという物質により急速にセロトニンが代謝され、頭蓋骨内外の血管が今度は異常に拡張します。これによって血管の透過性が亢進し炎症物質が産生され血管壁が炎症や浮腫を起こします。これが痛みとして伝達されて頭痛の発作が起こります。
三叉神経血管説(現在、最も支持されている)
何らかの誘因による刺激で三叉神経からCGRP、サブスタンスP、ニューロキニンなどの神経伝達物質が過剰に分泌されます。
CGRPは血管に働きかけ血管を拡張させます。 これにより血管の透過性が亢進し、血管の周囲に炎症が起こります。これが三叉神経を経由し脳に痛みとして伝達され、頭痛の発作が起こります。
緊張型頭痛の特徴
症状の特徴は、圧迫感のある持続性の頭痛です。
頭痛の症状は後頭部を中心に重ったるい痛み、物が張り付いた感じなど頭重感と言われる症状になります。
肩こりを伴う事が多い。(肩こりがあるからと言って全て緊張型頭痛とは言えません)
だるさを伴いやすいです。
姿勢が悪い、仕事の時間が長くなるなどの肉体的ストレス、精神的ストレスが多い状況では起こりやすくなります。
テレビ、パソコンの長時間の使用は眼の疲れを発生し頭痛を起こしやすくなります。
入浴、マッサージ、飲酒など筋肉の血流を改善させる事で頭痛が改善しやすいです。(逆に症状の悪化がある場合は片頭痛の可能性が高くなります)
片頭痛との主な違い
症状の特徴は、圧迫感のある持続性の頭痛であること
片頭痛との主な違い
ズキズキしない(非拍動性)
両側性
随伴症状は伴わない
(吐き気、めまい、生あくびなどは伴わない事が多い)痛みの強さが軽度~中程度
日常生活を妨げたり、日常生活で悪化したりしない
緊張型頭痛の原因
頭から首筋の筋肉や精神の緊張にある
下記のような緊張型頭痛の悪循環ができると頭痛はだらだらといつまでも続くのです。
ストレスがあると、頭のまわりの筋肉が緊張します。
筋が緊張しすぎると、筋肉の血の流れが悪くなり、老廃物(乳酸、ピルビン酸)がたまります。
老廃物がたまると、コリの状態となり、痛みがおこるようになります。
これが緊張型頭痛なのです。
頭が痛いとますます筋肉の血の流れが悪くなります。
頭痛があること自体がさらにストレスの原因となります。
こうなるといつまでも頭痛が続く「悪循環」ができ上がります。
群発頭痛の特徴
頭痛が、いったん起こり始めると1~2ヵ月間の間、連日のように群発するのが特徴です。ちょうど「群発地震」のような起こり方です。
発症年齢は20-40歳台
男性に多いタイプの頭痛です。
片頭痛は女性に多い頭痛です。群発頭痛は「男性専科の頭痛」といえます。
群発期は年に1~2回、あるいは2~3年に1回にあらわれます。その期間が過ぎれば、まったく頭痛は起こりません。
頭痛の頻度は:
1日1回です(隔日~1日8回の幅で起こります)。1回の頭痛は1時間程度で自然に治ります(15分~3時間の幅で起こります)。
片方の眼、眼の上、こめかみのあたりの「えぐられるような」激しい頭痛です。
頭痛の強さは:
頭をかかえてころげまわるほどの強さです。大げさではなく、患者さんはじっとしていられないのです。 片頭痛は逆に身動きがとれません。「(頭痛が)ひどいときは頭をハンマーで叩き血だらけになった事も何度かありました」睡眠中に起こりやすい頭痛です。明け方の痛みで目をさますことが少なくありません。
発作中、頭痛の側の眼が充血したり、涙が出たり、鼻が詰まったり、鼻汁が出たり、顔に汗をかいたり、まぶたがさがったり脹れたりすることがあります。
片頭痛と違って吐き気や嘔吐はあまりありません。
10万人当たり56ー401人(片頭痛は7056人)
アルコール、ヒスタミン、ニトログリセリンで誘発されます。
大酒家、ヘビースモーカーが多い。
遺伝的因子も言われ家族内には5-18倍なりやすい。
群発頭痛の家族には5%に家族歴がある。
原因として考えられているものは
視床下部に調節機能がある
PETで視床下部後部に活性化がある。三叉神経の活性化との関連
群発頭痛発作の最中に頚動脈のCGRP、VIP増加が確認され酸素、イミグラン注射によりCGRP(三叉神経との関連が判明した三叉神経から放出されるペプチド)減少が確認された。
内頚動脈周囲に原因を求める
内頚動脈の拡張が静脈うっ血を起こすとする。